補集合神経衰弱
今回紹介する集合トランプゲームは、補集合神経衰弱 です!
概要
ゲーム名にも入っている「補集合」とは、ざっくりと要約すると「合わせてぴったり全体集合 になるもの」のことです。例えば、 の補集合は といった感じですね。詳しいことは、以下の記事で解説しています:
以上の説明を聞くと、「補集合神経衰弱」がいったいどのようなゲームなのかは、大方察せてしまうかも?
ルール
まずは、プレイヤーを 2 人以上 *1 用意してください。そうしたら、集合トランプのどちらか 1 色 32 枚を、伏せた状態で並べます *2:
じゃんけんなどの適当な方法で手番を決めたら、ゲームスタートです。手番のプレイヤーは、伏せられたカードのうち 2 枚を選んで、ひっくり返します:
ここで、上の写真のように、表向きになった 2 枚のカードが互いに補集合の関係にあるようなペアであれば、その 2 枚のカードを手に入れることができます。そして、ボーナスとしてもう一度手番を行うことができます。この辺のルールは通常の神経衰弱と同様ですね。
カードを手に入れられなかった場合は、手番が次のプレイヤーに移ります。これを繰り返して、伏せられたカードがなくなったら、ゲーム終了となります。そして、獲得したカードの枚数が多い順に順位がつきます。
所感
通常のトランプで行う神経衰弱との大きな違いは、カードの内容の覚えやすさ ですね。 や などの単純な集合は覚えやすい一方で、 なんかは見るからに混同してしまいやすそうですよね。
さらに、同一のカード 2 枚がペアになるわけではない 点も、混乱を招きます。これは「合計が 14 になるもの同士がペアになる、普通のトランプ上の神経衰弱」を考えてもらえればわかりやすいのではないでしょうか。頭の中で「補集合をとる」という操作を行わなければならないため、その間に記憶しているカードが忘却の彼方へと消え去ってしまうのです……
ここからは少し発展的な話になりますが、 の部分集合は、
という写像により、 から までの整数と 1 対 1 に対応させることができます。これは、要は「集合の各要素を 2 進数の各桁に対応させている」のです:
この対応を用いれば、補集合神経衰弱では「対応する数が足して になる」ものをペアとみなせばよいことになります。しかし、集合を数に対応させれば、記憶すること自体は簡単になるかもしれませんが、たくさんの数を記憶しながら計算を行うのは、それはそれで至難の業ですね。むずかしい。
まとめ
補集合 どうしがペアになる、記憶力が大いに試される神経衰弱、補集合神経衰弱 の紹介でした。
次回紹介するゲームも、神経衰弱とはまた別の「補集合を探す」集合トランプゲームです。お楽しみに~