集合トランプ

次世代のトランプ「集合トランプ」で遊べるゲームを紹介しています

shUgorØn

過去に地上波で放送されていた NumerØn というゲームをご存知でしょうか。マスターマインドというゲームをベースとした、2 人用の対戦ゲームです。

本記事では、このゲームを集合トランプ上に持ち込んだゲーム  \text{sh} \hspace{0.2pt} U \hspace{-1.1pt} \text{gor} \hspace{0.5pt} \emptyset \hspace{0.5pt} \text{n} *1 を紹介します。

概要

NumerØn と同様に 2 人対戦ゲームで、伏せられた相手の 集合 を推測して当てることが勝利条件となっています。そのために、相手の伏せられた集合に対し「質問」をすることができるのですが、この質問によって 自分が伏せている集合についての情報を相手に与えてしまう 可能性があることが、NumerØn との大きな違いでしょうか。

なお、このゲームでは、「集合スピード」などの集合トランプゲームと同様に、集合の「包含関係(含む / 含まれる)」という概念を使っています。

ルール

初期化

まず初めに、プレイヤー 2 人は、それぞれ集合トランプのどちらか 1 色 32 枚を手札として持ちます。そして、その 32 枚の中から 1 枚を選び、手元に伏せて置きます。

準備が終わったら、じゃんけん等で先攻・後攻を決定し、ゲームを開始しましょう。

手番の流れ

プレイヤーは、持っている集合を 1 つ公開して、相手の伏せられた集合に対して質問を行います。質問は、各手番にちょうど 1 回だけ行います。*2 なお、質問に用いた集合は、手札に戻さず、使用済みのカードとして公開しておきます。

伏せられた相手の集合を  X、手札から公開された集合を  A とすると、質問を受けたプレイヤーは、「 X \subset A であるか」「 X \supset A であるか」の 2 つを返答しなければなりません。

すなわち、返答のパターンは以下の 4 通りとなります:

   X \subset A である  X \subset A でない
 X \supset A である  X = A X A に一致する  X \supsetneq A X A より大きい
 X \supset A でない  X \subsetneq A X A より小さい  X A と "無関係" である

のいずれであるかを返答しなければなりません。

以下に、javascript で動作する質問プログラムを用意しました。例えば  A = \{1, 3\} として質問したい場合、1 と 3 にチェックを入れて call ボタンを押すことで質問を行えます。試しに相手の集合  X を当ててみてください。(reset ボタンで、相手の集合  X をランダムにリセットできます)

1 2 3 4 5  

質問を繰り返して、めでたく  X = A3 回 的中させることができたら、そのプレイヤーは勝利となります。

なお、伏せた集合を当てられてしまった側のプレイヤーは、伏せていた集合を表向きにして、使用済みカードとして公開しておきます。そして、自分の手札から新たに集合を 1 つ任意に選び、ふたたび手元に伏せて置きます。そして、さきほど質問を的中させたプレイヤーから 手番を再開します。*3

質問は慎重に

質問には手札を使用することになりますが、このゲームには手札を補充する手段がないので、質問に同じ集合を 2 回以上使うことはできません

しかし、以上のルールでは、「相手が伏せている集合が自分の手札にない」場合に、どうあがいても質問を的中させることができませんね。そこで、第 2 の質問方法として、「手札を 1 枚公開し、そのカードに書かれた集合とは関係なく 1 つ集合  A を指定して、 X = A であるか を尋ねる」ことを認めます。*4 この質問方法では、集合  A の指定が手札によらず任意であるかわりに、質問で得られる情報が少なくなっています。ここぞというときに使ってくださいね。

もうひとつ、質問の際に注意しなければならないことがあります。集合トランプの各色に同じ集合がちょうど 1 枚しかないという性質上、質問に使った集合は、自分が伏せている集合の候補から除外される ことになります。質問に用いる集合を適切に選ばないと、かえって自分の伏せている集合に関する情報を与えてしまうかもしれません。

プレイ動画

数学デー にて  \text{sh} \hspace{0.2pt} U \hspace{-1.1pt} \text{gor} \hspace{0.5pt} \emptyset \hspace{0.5pt} \text{n} を遊んでいた際の動画を、以下に記載します:

まとめ

NumerØn の集合トランプバージョン、 \text{sh} \hspace{0.2pt} U \hspace{-1.1pt} \text{gor} \hspace{0.5pt} \emptyset \hspace{0.5pt} \text{n} の紹介でした。NumerØn 同様に、攻撃や防御に使えるアイテムを考えてみるのも面白いかもしれませんね。それでは、次回もお楽しみに~

*1:「しゅごろん」。「集合論」からきています

*2:質問をしなかったり、2 回以上質問を行ったりしてはいけません

*3:質問が当たれば、連続で手番を行えるということです(神経衰弱的に、といえばわかりやすいでしょうか)

*4:すなわち、質問を受けたプレイヤーは「 X = A である」「 X \ne A である」の 2 択で返答することになります